オブジェクトファイルとは?
ITの初心者
「object file」について知りたいのですが、教えていただけますか?
IT・PC専門家
「object file」とは、コンピュータが直接実行可能な形式であるオブジェクトコードから成るファイルのことです。
ITの初心者
「オブジェクトコード」という言葉について、もう少し詳しく教えていただけますか?
IT・PC専門家
オブジェクトコードは、CPUが直接実行できる形式に変換されたプログラムコードのことを指します。
object fileとは。
-オブジェクトファイル-
オブジェクトファイルは、コンピュータが直接実行可能なオブジェクトコードで構成されているファイルであり、さらに「目的ファイル」としても知られています。
オブジェクトファイルの概要
オブジェクトファイルは、ソースコードがコンパイルまたはアセンブルされた結果を保存するためのコンピュータファイルです。このファイルには、一般的にヘッダー情報やシンボル情報、さらには特定のアーキテクチャ上で実行可能な形式の機械語コードが含まれています。また、オブジェクトファイルは、複数のモジュールから構成されるプログラムやライブラリのビルドに利用され、最終的には実行可能ファイルやライブラリにリンクされる重要な役割を果たします。なお、オブジェクトファイルはプログラム開発プロセスの中間段階に位置し、実行時には通常直接使用されることはありません。
オブジェクトファイルの構成
オブジェクトファイルは、コンパイル済みのソースコードを格納するための特定の形式を持ったコンピューターファイルの一種です。オブジェクトファイルの構成は、一般的に以下のように分類されます。
* -ヘッダー- オブジェクトファイル全体の構造や、含まれるデータに関するメタデータを保持しています。
* -テキストセクション- コンパイルされた機械語コードを格納している部分です。
* -データセクション- グローバル変数や定数などの初期化されたデータを保存しています。
* -BSSセクション- 初期化されていないデータ用の領域を確保している部分です。
* -シンボルテーブル- オブジェクトファイル内のシンボル(関数や変数など)のアドレスと名前の対応関係を記録しています。
* -リロケーションテーブル- リンク時に必要となる、アセンブリ時の相対アドレスを絶対アドレスに変換するための情報を含んでいます。
オブジェクトファイルの作成方法
-オブジェクトファイルの作成方法-
オブジェクトファイルを生成するためには、まずソースコードをコンパイルするプロセスが必要です。コンパイラは、ソースコードを機械語に変換するためのソフトウェアであり、このコンパイルの際には、コンパイラスイッチを使用して特定のオプションを指定することができます。これには、最適化レベルやデバッグ情報の生成などが含まれます。
コンパイラを実行すると、オブジェクトファイルとともにリストファイルが生成されます。オブジェクトファイルはコンパイルされた機械語を含むのに対し、リストファイルには、コンパイルされたソースコードやエラーメッセージが記載されています。オブジェクトファイルは、最終的にリンクして実行可能ファイルを作成するために使用されます。
オブジェクトファイルの作成には、さまざまなコンパイラが利用可能であり、一般的に使われるものには、GCC、Clang、Microsoft Visual C++などがあります。コンパイラを選択する際には、ターゲットとなるプラットフォーム、プログラミング言語、及びライブラリのサポート状況などの要件を考慮することが重要です。
オブジェクトファイルの利用方法
オブジェクトファイルの利用方法
オブジェクトファイルは、プログラムのコンパイルされたコードに関する中間的な表現を提供します。単独では実行可能なプログラムとはならないものの、リンカーと呼ばれるツールを使用して他のオブジェクトファイルやライブラリとリンクすることで、実行可能ファイルを作成することができます。
リンカーは、オブジェクトファイル内の関数やデータの各参照を、他のオブジェクトファイルやライブラリ内の対応する定義に関連付ける役割を果たします。これにより、最終的に生成される実行可能ファイルは、必要なすべてのコードとデータを一つのファイルとしてまとめることができます。
オブジェクトファイルは、モジュール化された開発手法を支援します。これは、プログラムをより小さく、再利用可能なコンポーネントに分割し、それらを個別のオブジェクトファイルとしてコンパイルすることを可能にします。このアプローチにより、開発の効率が向上し、保守性や再利用性も高まります。
オブジェクトファイルと実行可能ファイルとの関係
オブジェクトファイルと実行可能ファイルの関係について
オブジェクトファイルは、コンパイルされたコードの集まりであり、それをリンクすることによって実行可能ファイルを生成するために使用されます。 実行可能ファイルは、コンピュータ上で実行できる完全なプログラムとして機能します。オブジェクトファイルは、モジュール、関数、データなどのコードの小さな単位で構成されており、これらがリンク処理を経て一つの実行可能ファイルとなります。
リンク処理では、オブジェクトファイル同士が結合され、実行可能ファイルが生成されます。 このプロセスでは、オブジェクトファイル間の依存関係が解決され、必要なコード、データ、ライブラリリソースが一つのファイルに統合されます。これにより、コンピュータはプログラムを実行するために必要なすべての情報を取得することができるのです。