MPEG-4とは？動画・音声圧縮方式の基礎知識

MPEG-4とは？動画・音声圧縮方式の基礎知識

MPEG-4とは？

MPEG-4とは、Moving Picture Experts Group（MPEG）によって開発されたマルチメディア圧縮フォーマットの規格群を指します。この規格は、動画、音声、さらには静止画を効率的に圧縮し、インターネットやモバイルデバイスでの配信に適した形式で提供することを目的としています。具体的には、MPEG-4は動画圧縮にはMPEG-4 Part 2 (MPEG-4 Visual)を、音声圧縮にはMPEG-4 Part 3 (MPEG-4 Audio)を使用しており、これにより高品質な動画と音声を、従来のフォーマットに比べて遥かに小さなファイルサイズで実現することが可能です。

MPEG規格との関係

MPEG-4は、MPEG（Moving Picture Experts Group）規格の一部として位置付けられており、動画や音声を圧縮するための標準規格です。このMPEG規格は、動画や音声を効率的に圧縮することによって、ファイルサイズを小さくし、通信やストレージにかかる負担を軽減することを目的としています。MPEG-4は、MPEG-1やMPEG-2の後継規格であり、より先進的な圧縮技術を採用し、高画質で低ビットレートの動画圧縮を実現しています。

さまざまな規格の追加・拡張

MPEG-4の規格は、時間の経過とともに様々な拡張や追加が行われてきました。具体的には、MPEG-4 Part 2 では、オーディオ圧縮方式のAAC（Advanced Audio Coding）が追加され、より高品質な音声を小さなファイルサイズで提供できるようになりました。また、MPEG-4 Part 10では、インタラクティブなマルチメディアアプリケーションに対応するためのH.264ビデオ圧縮標準が新たに追加されました。さらに、MPEG-4 Part 12では、3次元グラフィックスを扱うためのX3D（Extensible 3D）が追加され、これらの拡張により、MPEG-4はより幅広い用途で、多様なデバイスやプラットフォームで使用できる規格となっています。

圧縮の目的と利点

圧縮の目的と利点についてですが、MPEG-4の圧縮技術は、動画と音声のサイズを大幅に削減することを目指しています。この圧縮により、限られた記憶容量や帯域幅の環境でも、動画や音声を効率良く配信できるようになります。圧縮は、以下のような数多くの利点をもたらします。

• ストレージの節約：圧縮によって、動画や音声のサイズを元の値から最大90%まで削減することが可能です。これにより、ハードドライブやクラウドストレージのスペースを大幅に節約できます。
• 転送時間の短縮：ファイルサイズが小さくなるため、圧縮された動画や音声は、インターネットやネットワークを介してより迅速に転送されます。
• コストの削減：データ転送のサイズを減少させることで、帯域幅の消費を抑え、インターネットサービスプロバイダーへの支払コストを削減することができます。
• 互換性の向上：MPEG-4は広範囲にわたってサポートされている標準であり、多くのデバイスやプラットフォームで再生することが可能です。

MPEG-4の活用例

MPEG-4の活用例としては、幅広いマルチメディアコンテンツの圧縮に応用されています。特に一般的な用途の一つは、動画配信です。MPEG-4は、インターネットやストリーミングサービスを通じて動画を効率的に圧縮し、配信するための技術として広く利用されています。また、このフォーマットはモバイルデバイスでも幅広く採用されており、スマートフォンやタブレットでの動画再生を可能にしています。さらに、MPEG-4はビデオ会議や医療画像処理の分野でも活用されており、高品質な画像を低帯域幅で伝送することができます。