IT用語『ブリッジ』についての解説:LANにおける役割とその種類
ITの初心者
先生、『bridge』という用語について詳しく教えていただけますか?
IT・PC専門家
『bridge』は、コンピューターネットワークにおいて、異なるネットワークセグメントを接続するためのデバイスのことを指します。
ITの初心者
つまり、ネットワーク同士の橋渡しを行うということですね?
IT・PC専門家
その通りです。例えば、オフィス内で有線LANと無線LANを同時に使用している場合に、『bridge』がそれらのネットワークを接続し、双方のネットワークにアクセスできる環境を整えます。
ブリッジとは?
「ブリッジ」は、コンピュータネットワーク、特にLANを接続するために設計された装置のことを指します。
ブリッジの役割とその仕組み
ブリッジとは、ネットワーク内における異なるLANセグメント(論理的に分割された部分)を接続するためのデバイスです。その主な役割は、異なるLANセグメント間でデータを中継し、効果的な通信を可能にすることです。ブリッジは、各LANセグメントに属するデバイスのMACアドレス(物理アドレス)を学習し、宛先アドレスに基づいてパケットを適切に転送します。
ブリッジの種類
-ブリッジの種類-
ブリッジには、さまざまな用途やネットワーク構成に応じた多様な種類が存在します。以下に主要なブリッジの種類を示します。
* -透明ブリッジ- これは従来のブリッジであり、ネットワーク上のトラフィックを処理する際にパケットの内容を変更せず、スイッチと同様の機能を果たします。
* -トランスペアレントブリッジ- OSI参照モデルの第2層(データリンク層)において、パケットのソースアドレスと宛先アドレスを学習します。宛先デバイスにパケットが届かない場合、ブリッジはそのパケットを全方向に中継します。
* -ソースルートブリッジ- 各パケットに経路情報を追加し、ネットワーク内でパケットが移動する際の経路を指定します。
* -リモートブリッジ- 複数のセグメントを論理的に一つのセグメントとして接続するために使用され、パケットはカプセル化されてリモートリンクを通じて送信されます。
* -ワイヤレスブリッジ- 有線ネットワークをワイヤレスネットワークに拡張するために利用され、無線LAN規格を支援し、ワイヤレスデバイスと有線セグメント間の通信を可能にします。
ブリッジのメリット
ブリッジの利点として、ネットワークの効率化が挙げられます。ブリッジは異なるネットワークセグメントのトラフィックを効果的に転送することで、ネットワーク全体のパフォーマンスを向上させる役割を果たします。また、トラフィックの制御とセグメント化を行うことにより、ネットワークのセキュリティを強化することができます。さらに、ブリッジは異なるタイプのネットワークプロトコル間での通信を可能にし、ネットワークの柔軟性と相互運用性を高める要因となります。加えて、障害時のネットワークの冗長性も提供し、ネットワークの可用性を向上させるのに寄与します。
ブリッジのデメリット
-ブリッジのデメリット-
ブリッジにはいくつかの欠点が存在することを理解しておくことが重要です。まず、セキュリティ上のリスクがある点です。ブリッジはネットワーク上の異なるセグメントを接続するため、ネットワークへの不正アクセスが行われる可能性が高まります。また、ブリッジを利用することでネットワークの複雑性が増す可能性があり、これがトラブルシューティングや管理を難しくする要因となることがあります。さらに、ブリッジはネットワークパフォーマンスに影響を与える可能性があり、特にフレームを処理する際に遅延やパケットロスを引き起こすことがあるため注意が必要です。
ブリッジの最新動向
ブリッジの最新動向は著しく進化しており、接続性や管理の向上に寄与する新しい技術が次々と開発されています。ソフトウェアベースのブリッジは、ハードウェアベースのブリッジに比べて高い柔軟性を持ち、クラウドや仮想環境での使用に適しています。また、自動化ツールやネットワーク監視機能が向上しており、ブリッジの運用やトラブルシューティングがより容易になりました。さらに、SDN(Software-Defined Networking)の普及に伴い、ネットワークをより効率的かつ柔軟に制御するためにブリッジが活用されるようになっています。こうした進展により、ブリッジは企業のネットワークインフラストラクチャにおいて、ますます重要な役割を果たすことが期待されています。