「NAPT」とは?仕組みとNATとの違いを解説

ITの初心者
先生、「NAPT」について具体的に教えていただけますか?

IT・PC専門家
「NAPT」とは「Network Address Port Translation」の略で、これは複数のコンピュータが一つのグローバルIPアドレスを共有して、インターネットにアクセスできる技術を指します。

ITの初心者
ということは、LANに接続している複数のコンピュータが、インターネットにアクセスする際に、たった一つのIPアドレスで済むということですね?

IT・PC専門家
その通りです。各コンピュータはそれぞれプライベートIPアドレスを持ち、そのアドレスがNAPTによってグローバルIPアドレスに変換された結果、全てのコンピュータがインターネットに同時に接続できるようになります。
NAPTとは。
「NAPT」とは、企業や家庭で利用されるLAN(ローカルエリアネットワーク)に接続されている複数のコンピュータが、単一のグローバルIPアドレスを共有するための技術を指します。この技術は、LAN内の各コンピュータが持つプライベートIPアドレスと、外部と通信する際のグローバルIPアドレスとの間で相互に変換を行う役割を果たします。
NAT(ネットワークアドレス変換)と基本的な概念は似通っていますが、NAPTの場合は、複数のコンピュータが同時にインターネットに接続できるという特性があります。NAPTは「ネットワークアドレスポート変換」の略称でもあり、「IPマスカレード」としても知られています。
NAPTの概要

「NAPT(Network Address Port Translation)」の概要
NAPTはNAT(Network Address Translation)の一種であり、複数のプライベートIPアドレスを単一のグローバルIPアドレスにマッピングすることを可能にしています。この仕組みにより、プライベートネットワーク内の様々なデバイスが、ひとつのグローバルIPアドレスを通じてインターネットにアクセスできるようになります。特に、企業や家庭のローカルネットワークにおいて広く利用されている方法です。
NAPTの仕組み

-NAPTの仕組み-
ネットワークアドレス変換(NAT)は、パブリックIPアドレスのプールを節約するためにプライベートIPアドレスを利用しますが、ネットワークアドレスポート変換(NAPT)は、プライベートIPアドレスの変換に加えてポート番号も変換します。この機能により、各デバイスが外部ネットワークから一意に識別されることが可能になります。
NAPTが正常に機能するためには、ルーターまたはファイアウォールと呼ばれるゲートウェイデバイスが必要です。このデバイスは、ローカルネットワークから送信されるパケットを傍受し、プライベートIPアドレスとポートを、パブリックIPアドレスとポートの組み合わせに変換します。この変換に関する情報は、セッションテーブルというデータ構造に保存されます。
戻ってきたパケットは、ゲートウェイデバイスがセッションテーブルを参照することによって、適切なプライベートIPアドレスとポートに正確にルーティングされます。この仕組みのおかげで、外部ホストとの通信がプライベートIPアドレスとポートを使用して行われている場合でも、データが正しいデバイスに届くことが保証されます。
NATとの違い

-NATとの違い-
「NAT(Network Address Translation)」は、プライベートネットワーク内のIPアドレスをパブリックIPアドレスに変換する技術で、これによりプライベートネットワーク内のデバイスがインターネットにアクセスできるようになります。一方で、NAPT(Network Address Port Translation)は、プライベートネットワーク内のIPアドレスに加えて、ポート番号の変換も行います。この追加の機能により、NAPTはNATに比べてより多くのデバイスが同時にインターネットに接続することを可能にします。
また、NAPTはプライベートネットワーク内のデバイス同士でポートを共有することができるのに対し、NATにはこの機能がありません。したがって、NAPTはオンラインゲームやファイル共有など、複数のポートを利用するアプリケーションをサポートすることができます。しかし、NAPTはNATよりも設定が複雑になることがあり、ファイアウォールルールなどのネットワーク設定に影響を与える可能性もあります。
NAPTの利点

-NAPTの利点-
NAPTには、主に以下のような利点があります。
IPアドレスの枯渇防止NAPTを利用することで、グローバルIPアドレスを複数の端末で効率的に共有することが可能です。これにより、限られた数のIPアドレスの枯渇問題を緩和し、より多くのデバイスがインターネットに接続できるようになります。
NATとの共存NAPTはNATと共存して機能することができます。NATはプライベートネットワークのIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換し、NAPTはその変換をさらに進めて、複数の端末を一つのグローバルIPアドレスにマッピングします。この共存により、プライベートネットワークをインターネットに接続しつつ、各端末のプライバシーを確保することができます。
負荷分散の向上NAPTは、負荷分散の効果を高めるのにも寄与します。複数の端末を単一のグローバルIPアドレスにマッピングすることで、トラフィックが各端末に分散され、ネットワークのボトルネックを軽減し、全体的なパフォーマンスを向上させることが可能となります。
NAPTの用途

NAPTの用途
NAPTは、プライベートIPアドレスをパブリックIPアドレスに変換することにより、複数のデバイスがインターネットに接続できるようにする技術です。特に、パブリックIPアドレスが不足している状況や、ファイアウォールやルーターを通過する際にセキュリティを強化したい場合に非常に有用です。また、NAPTはネットワークアドレスの拡張(NAT)の前身であるネットワークアドレス変換(PAT)と同様に、アドレスの枯渇を防ぐための手段としても機能します。
