DNS over HTTPS(DoH)とは?プライバシーを守る仕組み

ITの初心者
DNS over HTTPS(DoH)って何ですか?どうして必要なんですか?

IT・PC専門家
DNS over HTTPS(DoH)は、インターネット上でのDNSリクエストを暗号化して送信する仕組みです。これにより、通信を監視されるリスクが減り、プライバシーが守られます。

ITの初心者
具体的には、どのようにプライバシーが守られるのですか?

IT・PC専門家
DoHは、DNSリクエストをHTTPSプロトコルで送信するため、通信内容が暗号化されます。これにより、第三者がどのサイトにアクセスしているかを知ることが難しくなります。
DNSとは何か
DNS(Domain Name System)は、インターネットの電話帳のような役割を果たします。ユーザーがウェブサイトにアクセスする際、URL(例: www.example.com)を入力しますが、実際にはコンピュータはIPアドレス(例: 192.0.2.1)を使用して通信を行います。DNSはこのURLを対応するIPアドレスに変換する仕組みです。これにより、ユーザーは複雑な数字の代わりに覚えやすい名前を使ってウェブサイトにアクセスできます。
DoHの基本的な仕組み
DNSリクエストは通常、テキスト形式で送信されます。この場合、リクエストがネットワーク上で平文のまま流れるため、第三者がその内容を簡単に見ることができます。しかし、DoHでは、DNSリクエストをHTTPSプロトコルを利用して暗号化します。これにより、リクエストがネットワーク上を通過する際、内容が暗号化され、外部からは見えなくなります。具体的には、以下のような流れになります。
1. ユーザーがウェブサイトのURLを入力。
2. コンピュータがDNSリクエストを生成。
3. DoH対応のDNSサーバーにHTTPSでリクエストを送信。
4. DNSサーバーがIPアドレスを返す。
5. コンピュータがそのIPアドレスを使ってウェブサイトに接続。
このプロセスにより、ユーザーのプライバシーが保護されます。特に公共のWi-Fiネットワークなど、セキュリティが不安な環境においては、DoHが重要な役割を果たします。
DoHの利点と欠点
DoHにはいくつかの利点があります。まず、プライバシー保護が強化されることです。通信が暗号化されるため、悪意のある第三者がユーザーの行動を監視することが難しくなります。また、DNSリクエストが暗号化されることで、DNSの内容が改ざんされるリスクも低下します。
一方で、DoHには欠点も存在します。例えば、全てのDNSサーバーがDoHに対応しているわけではないため、サポートされていない環境では効果がありません。また、トラブルシューティング(問題解決)が複雑になることがあります。DoHを利用すると、DNS関連の問題が発生した場合、通常のDNSよりも原因を特定しにくくなることがあります。
DoHの導入状況
最近では、多くのブラウザやオペレーティングシステムがDoHに対応してきています。例えば、FirefoxやChromeはDoHをサポートしており、ユーザーは設定を変更することでこの機能を有効にできます。これにより、一般のユーザーも手軽にプライバシーを強化することができるようになっています。
また、DNSプロバイダーの中にも、DoHに対応しているサービスがあります。CloudflareやGoogleなどが提供しているDoHサービスは、特に人気があります。これらのサービスを利用することで、より安全にインターネットを利用できるでしょう。
まとめ
DNS over HTTPS(DoH)は、インターネット上でのプライバシーを守るための重要な技術です。DNSリクエストを暗号化することにより、ユーザーの行動を監視されるリスクを低減します。しかし、全ての環境で利用できるわけではないため、導入状況や各サービスの対応を確認することも大切です。プライバシーを重視する現代において、DoHの理解と利用はますます重要になってきています。
