Hayesコマンドとは?ATコマンドとの関係を解説

ITの初心者
Hayesコマンドというのは一体何ですか?

IT・PC専門家
Hayesコマンドは、モデムやファクシミリなど、さまざまな通信機器を制御するために用いられる一連のコマンド群を指します。

ITの初心者
それはATコマンドのことを指しているのですか?

IT・PC専門家
その通りです。ATコマンドはHayesコマンドの略称であり、しばしば同義で使用されます。
Hayesコマンドとは。
「IT用語における『ヘイズコマンド』は、モデムを制御する目的で使用されるコマンドのことを指します。具体的に言うと、以下の内容が含まれます。
- ヘイズコマンド: モデムを操作するための一連のコマンドセットです。
- ATコマンド: ヘイズコマンドの中でも特に一般的なタイプであり、モデムの初期化や設定を行う際に広く使用されます。
Hayesコマンドの歴史

Hayesコマンドの歴史
Hayesコマンドは、モデムとの通信に使用されるコマンドセットであり、その起源は1977年にさかのぼることができます。この年に、Hayes Microcomputer Products社は画期的な製品となる初のパーソナルコンピュータ用モデム、Hayes Micromodem 100を市場に投入しました。このモデムは、通信を制御するための独自のコマンドセットを搭載しており、それが後にHayesコマンドの基礎となりました。
その後、Hayesコマンドはモデム業界の標準として広く受け入れられることとなり、これは当時の市場においてHayes社のモデムが非常に競争力を持っていたためです。また、Hayesコマンドのシンプルさや使いやすさも、多くのユーザーから高く評価され、現在においてもモデムの基本的な通信コマンドとして広範に利用されています。
HayesコマンドとATコマンドの違い

HayesコマンドとATコマンドの違い
HayesコマンドとATコマンドは、モデムやその他の通信機器を制御するために設計されたコマンドセットです。Hayesコマンドは1977年にHayes Microcomputer Productsによって開発され、その後1984年にはITU-T(旧称CCITT)によってATコマンドが標準化されることになりました。
実際のところ、HayesコマンドはATコマンドのサブセットとして位置づけられています。Hayesコマンドはシンプルで覚えやすい設計が特徴であり、初心者でも扱いやすいという魅力があります。一方で、ATコマンドはより多機能で包括的な内容を持ち、Hayesコマンドでは提供しきれないような高度な機能も備えています。
具体的な例を挙げると、モデムで電話をダイヤルする際、Hayesコマンドでは「ATD」を使用するのに対し、ATコマンドでは「ATDT」といったコマンドを利用することで、ダイヤルする電話番号に加えて、タイムアウト時間やダイヤルの回数を指定することができるのです。
Hayesコマンドの使い方

-Hayesコマンドの使い方-
Hayesコマンドを利用するためには、端末エミュレータまたはシリアル通信プログラムが必要です。一般的によく使用される端末エミュレータには、PuTTY、HyperTerminal、Tera Termなどがあり、シリアル通信プログラムとしては、minicom、picocom、screenなどが広く知られています。
まず、端末エミュレータを起動し、シリアルポートの設定を行う必要があります。ボーレートは通常9600または115200に設定し、データビットは8、パリティはなし、ストップビットは1に調整するのが一般的です。
次に、コマンドを送信します。Hayesコマンドは通常「AT」で始まり、その後に特定のコマンドを示すサフィックスが続く形になります。たとえば、モデムのバージョンを確認する際には「ATV」コマンドを送信することになります。
このコマンドを実行すると、モデムからの応答が返ってきます。応答は通常「OK」、「ERROR」、「NO CARRIER」といった短い文字列で示され、これらの応答コードの意味については、Hayesコマンドの仕様書で確認することができます。
Hayesコマンドを使用することにより、モデムの設定を変更したり、現在のステータスを確認することが可能となります。一般的に利用されるコマンドには、ATV(バージョン確認)、ATD(ダイヤル)、ATH(ハングアップ)、ATZ(リセット)などが含まれます。
Hayesコマンドは非常に使いやすく、さまざまなモデムでの利用が可能です。シリアル通信やモデム制御に関する知識を深めることによって、Hayesコマンドを使ってモデムを効果的に管理することができるでしょう。
Hayesコマンドの利点と欠点

-Hayesコマンドの利点と欠点-
Hayesコマンドは、モデムやその他の通信機器を制御するための非常に便利なコマンドセットです。その主な利点として、さまざまなベンダーのデバイスとの高い互換性が挙げられます。これにより、異なるメーカーのモデムをスムーズに併用することができ、利便性が高まります。また、Hayesコマンドに関する詳細な文書が存在し、オンラインサポートリソースも豊富に提供されています。
一方で、Hayesコマンドにはいくつかの欠点も存在します。例えば、これらのコマンドはテキストベースであるため、複雑な操作を実行する際には多数のコマンドを駆使する必要が生じることがあります。また、Hayesコマンドは最新のモデムの一部機能を十分に活用できない場合があるため、データ転送速度やエラー処理能力において制約が生じる可能性もあります。
Hayesコマンドの活用事例

Hayesコマンドの活用事例
Hayesコマンドは、モデムやその他の通信機器の制御に幅広く利用されています。具体的には、以下のような用途が考えられます。
- -データ通信の確立- モデムとの接続を確立し、データの送受信を円滑に行うことができます。
- -デバイスの設定- モデムの速度やフロー制御などの設定を柔軟に調整できます。
- -診断とデバッグ- モデムの状態を常に監視し、問題の診断や解決に役立ちます。
- -自動化- Hayesコマンドを活用して、モデム操作のスクリプトを作成し、プロセスを自動化できます。
- -古い機器との互換性- Hayesコマンドは古いモデムや通信機器でも広くサポートされており、古いシステムとの互換性を確保することが可能です。
