PC/AT互換機とは?業界標準となったその歴史
ITの初心者
PC/AT互換機について詳しく教えていただけますか?
IT・PC専門家
PC/AT互換機は、1984年にIBMがリリースした「IBM PC/AT」と互換性のあるパソコンのことを指します。
PC/AT互換機とは。
PC/AT互換機とは、1984年にIBMが発表した「IBM PC/AT」との互換性を持つコンピュータの総称です。この時、IBMはその設計仕様を公共に提供したため、多くの他のメーカーがその設計を基に互換機や周辺機器、さらに部品を製造することが可能になりました。
特に日本では、1990年に日本語対応のオペレーティングシステム「DOS/V」が登場したことが大きな転機となり、PC/AT互換機の普及が加速しました。このため、これらのコンピュータは「DOS/Vパソコン」とも称されるようになりました。
現在、PC/AT互換機は世界中で、特にMacintoshを除くパソコンの大部分を占める存在となり、事実上の業界標準として認識されています。略称としては「AT互換機」や「PC互換機」、または「IBM PC/AT互換機」と呼ばれることがあります。
PC/AT互換機の誕生
PC/AT互換機の誕生は、このジャンルの歴史における極めて重要な出来事であり、1984年にIBMが発売した個人用コンピュータ(PC/AT)は、瞬く間に大ヒットを記録し、そのアーキテクチャは業界のスタンダードとなりました。PC/ATには、80286プロセッサ、新たに設計された拡張バスであるISAバス、さらにハードディスクドライブといった先進的な機能が搭載されていました。
これらの機能により、PC/ATはその当時の他のパソコンと比べても圧倒的に優れた性能を発揮し、業界内での地位を不動のものにしました。その結果、他のメーカーはPC/ATのアーキテクチャを模倣し、互換性のある「クローン」を製造するようになりました。こうして、PC/AT互換機の市場は急速に拡大し、パーソナルコンピューティングのメインストリームとなっていきました。
DOS/Vの登場とPC/AT互換機の普及
PC/AT互換機の普及に大きく寄与したのは、マイクロソフトが1981年にリリースしたオペレーティングシステム「DOS/V」です。このOSはIBM-PCのハードウェア構成をそのまま引き継いで設計されており、他のメーカーがIBM-PC互換機を開発する際の障壁を大幅に取り除きました。
それまでは、他のメーカーがIBM-PC互換機を開発するためには、IBMのBIOS(基本入出力システム)のライセンスを取得する必要がありました。しかし、DOS/Vの登場により、このライセンス料が不要となり、互換機の開発にかかるコストが大幅に削減されました。この結果、他のメーカーが率先してPC/AT互換機を設計・販売するようになり、市場には多くの互換機が溢れることとなったのです。
PC/AT互換機の業界標準化
PC/AT互換機の業界標準化は、IBM PC/ATの発売と共に始まりました。PC/ATは、拡張バス規格であるISA(Industry Standard Architecture)を採用しており、このバスは他のメーカーにとって容易に模倣可能であったため、PC/AT互換機の急速な普及を促すきっかけとなりました。各社がPC/AT互換機の製造を開始したことで、互換性のあるコンポーネントや周辺機器に対する需要が高まり、業界全体の標準が形成されていきました。これにより、ユーザーは異なるメーカーのさまざまなコンポーネントを組み合わせて独自のシステムを構築することが可能となり、競争が活性化されることで技術革新が進展したのです。
PC/AT互換機の略称
PC/AT互換機の略称は、しばしば単に「PC」と呼ばれるようになっています。これは、IBMが開発したオリジナルのPC/ATが「IBM PC」という名称で知られていたことに由来しています。次第に、他のメーカーもIBM PCと互換性のあるコンピュータを製造するようになり、それらのコンピュータも「PC」と称されるようになりました。
PC/AT互換機の種類
-PC/AT互換機の種類-
PC/AT互換機は、IBM PC/ATのアーキテクチャを基にして開発されたコンピュータ群であり、それぞれがサイズ、フォームファクター、機能の面で多様性を持っています。
最も一般的なデスクトップPCは、ATXフォームファクターを採用しており、これらのモデルは通常タワー型のケースに収められており、キーボードやマウスを使用して操作されます。さらに、よりコンパクトなノートパソコンは、持ち運びに便利なデザインを採用し、トラックパッドやタッチスクリーンといった機能を備えています。また、サーバーは、大規模なデータ処理やネットワーク接続に特化した特殊なPC/AT互換機として設計されています。