プログラム可能なロジックデバイス(PLD)とは

ITの初心者
先生、プログラマブルロジックデバイス(PLD)について教えてもらえますか?

IT・PC専門家
PLDとは、特定の目的に応じてユーザーが自由にプログラムできる論理回路の一形態です。

ITの初心者
具体的には、どのような用途で使われるのですか?

IT・PC専門家
PLDは、組み込みシステムや制御機器、さらにはテストおよび測定装置など、さまざまな用途で利用されています。
programmable logic deviceとは。
「『programmable logic device(プログラマブル・ロジック・デバイス)』の略称は、PLDとして知られています。」
PLDの概要

プログラム可能なロジックデバイス(PLD)は、特定の論理機能を実行するためにプログラム可能な電子デバイスで、非常に多様な用途に対応しています。PLDの代表的な種類には、プログラマブルアレイロジック(PAL)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、およびフィールドプログラブルゲートアレイ(FPGA)があります。これらのデバイスは、従来のディスクリートロジックデバイスを使用する際と比べ、コストを抑えつつ設計の柔軟性が大幅に向上するのが特徴です。また、PLDは回路設計の複雑性を軽減し、製品開発のスピードを加速することも可能です。
PLDの歴史と進化

プログラム可能なロジックデバイス(PLD)の誕生は、デジタルエレクトロニクスの進化と密接に関連しています。初期のPLDは、プログラマブル・リードオンリーメモリー(PROM)を基にしており、固定された論理機能の組み合わせを提供していました。しかし、技術革新により、フィールドプログラブルゲートアレイ(FPGA)が登場し、システムの要件に応じて再構成可能なロジックブロックを持つことが可能となりました。
その後、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)が開発され、FPGAとPROMの利点を融合させ、低コストで高い集積度を実現しました。さらにシステムオンチップ(SoC)の進展により、PLDはSoCに統合され、電子機器の複雑さと汎用性を大幅に向上させる役割を果たしています。現在、PLDは通信から産業オートメーション、さらにはコンシューマエレクトロニクスに至るまで、幅広いアプリケーションに利用されています。
PLDの構造と種類

-PLDの構造と種類-
プログラム可能なロジックデバイス(PLD)は、その内部構造により、主にCPLD(コンプレックスPLD)とFPGA(フィールドプログラブルゲートアレイ)の2つに分類されます。
CPLDは、AND、OR、NOTなどの論理ゲートを組み合わせた固定的な論理回路を備えており、これらのゲートはプログラミング可能なインターコネクト回路によって接続され、特定の論理機能を実現します。CPLDの特徴は、比較的小規模な回路設計と高速な動作です。
一方、FPGAは、LUT(ルックアップテーブル)と呼ばれる構成可能な論理ブロックから成り、接続のためのプログラミング可能なインターコネクト回路を持っています。LUTは、特定の入力の組み合わせに基づき任意の論理出力を生成できるため、FPGAはCPLDよりもはるかに複雑で再構成可能な論理回路を実現できます。
PLDのメリットとデメリット

– PLDのメリットとデメリット
PLD(プログラム可能なロジックデバイス)は、柔軟性とカスタマイズ性に優れたデジタル回路です。最大の利点の一つは、論理関数をユーザーの特定の要望に応じてプログラムできることです。このため、設計者は特定のアプリケーションに必要な機能を持つデバイスを容易にカスタマイズでき、回路の再配線や新たなハードウェアの購入が不要になります。
しかし、PLDには固有のデメリットもあります。最初に挙げられるのは、プロセッサに比べて処理速度が劣る場合があることです。また、PLDは通常、カスタムICに比べてコンパクトさに欠け、回路密度が低いことが多いです。さらに、PLDは消費電力が高くなることがあり、その結果、特定のアプリケーションでは熱に関する問題が発生する可能性もあります。これらのデメリットを考慮することで、設計者は特定のアプリケーションに対して最適なソリューションを選ぶ必要があります。
PLDの応用例

-PLDの応用例-
プログラム可能なロジックデバイス(PLD)は、さまざまな分野で広く利用されており、その適用範囲は非常に広いです。
具体的な例としては、通信機器においてデータ処理やルーティングロジックとして活用されています。また、産業用機器では、制御ロジックやデータ収集のために重要な役割を果たしています。さらに、医療機器では、画像処理や信号処理機能を担っています。加えて、軍事・航空宇宙の分野でも、信頼性の高い制御システムやデータ処理にPLDが使用されており、その応用は多岐にわたります。
