パソコン通信とは?懐かしのネットワークサービスを振り返る
ITの初心者
先生、「パソコン通信」について詳しく教えてもらえますか?
IT・PC専門家
パソコン通信とは、パソコンをモデムで接続し、電話回線を利用してデータ通信を行う会員制のサービスのことだよ。
ITの初心者
具体的にはどんなことができるのでしょうか?
IT・PC専門家
電子メールの送受信や、電子掲示板でのコミュニケーションが可能です。特に1980年代後半から1990年代初頭にかけて、日本国内で非常に人気がありましたが、インターネットが普及するにつれてその利用者数は徐々に減少しました。
パソコン通信とは。
パソコン通信とは、パソコンをモデムで電話回線に接続し、データ通信を行うための会員制サービスのことを指します。ユーザーは電子メールや電子掲示板を活用してコミュニケーションを取ることができました。
このサービスが日本で特に盛んだったのは、1980年代の後半から1990年代の前半にかけてのことです。インターネットの普及が進むと、次第にその利用者は減少していきました。
代表的な商用サービスには、日本の「ニフティサーブ」や「PC-VAN」、さらには「アスキーネット」、アメリカの「AOL」や「コンピュサーブ」などが存在しました。
パソコン通信の仕組みと特徴
パソコン通信は、文字ベースのメッセージをオンラインで交換する非同期通信の一形態です。専用のネットワーク上には電子会議室(フォーラム)が設けられ、ユーザーはメッセージの投稿や返信、さらにファイルのアップロードやダウンロードが可能となっています。
このパソコン通信の最大の特徴は、双方向性であることです。他の利用者とリアルタイムでやり取りができるため、「チャット」のような感覚で利用することができます。ただし、当時の通信速度は非常に低かったため、メッセージの送信や表示に時間がかかるというデメリットもありました。
パソコン通信の黎明期と全盛期
パソコン通信の黎明期は、1970年代後半から1980年代初頭にかけて始まりました。その時期は、モデムを使用してダイヤルアップ接続を行うテキストベースのシステムが主流でした。代表的なサービスとしては、「NIFTY-Serve」や「BIGLOBE」などがあります。
そして、パソコン通信の全盛期は、1990年代初頭から中盤にかけて訪れました。この時期にはグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が導入され、より視覚的に理解しやすいサービスが提供されるようになりました。高速インターネットの普及が進むことで、通信速度が向上し、画像や動画の共有も可能となりました。この時代を代表するサービスとしては、「Yahoo! JAPAN」や「AOL」などが挙げられます。
代表的なパソコン通信サービス
パソコン通信サービスの黎明期には、さまざまなプロバイダーが存在し、その中でも特に有名なのは、「NIFTY-Serve」や「PC-VAN」といったサービスです。
「NIFTY-Serve」は1987年に設立された大手のプロバイダーで、豊富なコンテンツや活発なディスカッションフォーラムで知られていました。一方で、「PC-VAN」は1985年にNECによって設立され、企業向けの閉鎖的なネットワークとして使用されていました。
パソコン通信の衰退とインターネットの普及
パソコン通信の衰退は、インターネットの急速な普及と密接に結びついています。インターネットは、より高速で安定した接続を実現し、多様なコンテンツやサービスを提供できるようになったため、パソコン通信の持っていた優位性が薄れていきました。また、インターネットはより広範囲のユーザーにアクセス可能であるため、パソコン通信の市場規模は次第に縮小しました。さらに、インターネットの普及により、パソコン通信に必要だったモデムや専用線などの通信インフラが不要となり、コスト面でもインターネットが非常に有利になりました。これらの要因が重なり合い、パソコン通信は徐々に利用者数を減少させていったのです。
パソコン通信の文化的・社会的影響
パソコン通信は、単なるコミュニケーション手段としてだけではなく、深い文化的・社会的影響をもたらしました。パソコン通信のフォーラムや掲示板は、専門家同士の知識を共有する場となり、趣味や興味を同じくする人々の交流の場として新しいコミュニティが形成されました。さらに、オンラインゲームの登場は、デジタルエンターテインメントの新たな時代を切り開き、ネット上での社会関係の構築にも寄与しました。加えて、パソコン通信は、インターネット普及の基盤を築き、後のインターネット社会へとつながる重要な役割を果たしてきたのです。